コラム「イタリア長期留学」
桐朋学園研究科3年の時、イタリアから来日していた先生のマスタークラスを受けとても感銘を受けました。もう一度、発声を一から学びなおしたい、またイタリア語を喋れるようになりたいという思いから、研究科を卒業と同時に、通っていたニ期会オペラ研修所を休学して留学する事に決めました。
場所は、短期留学の際一人で色々な町を旅した際に、この町に住んでみたいと思った、veronaです。
ヴェローナはロミオとジュリエットの舞台となった町で、夏にはアレーナという1世紀に建てられた野外劇場で、オペラフェスティバルが行われるとても素敵な町です。
毎日朝は語学学校、週に3回マントヴァに住んでいる歌の先生のレッスンに通いました。
夏には毎日アレーナにオペラを観に行ったり、ヴェローナから車で30分ぐらいの所にある避暑地ガルダ湖にもよくいきました。
アレーナのオペラフェステイバルは大体の人が、石畳に腰かけます。開幕前に全員がロウソクをつけると、とても幻想的で、又オペラの有名なアリアなどになると、一緒に歌う人がいたり、カップルは、いちゃいちゃしながら公演をみたりと、とても自由な雰囲気でした。
オペラ歌手、マリアカラスもヴェローナに住んでいた事があり、本屋のおばあさんにその時の話を聞いたり、家の前で、「ジュリエットの手紙」という映画の撮影が行われたり、イタリアの生活はとても不便でなんでも自分でしなければいけませんが、のんびりしていて、自然や歴史を感じながら、毎日を過ごす事ができます。生活にも慣れてきてから、オーディションを受け、教会でミサの際、歌を歌わせて頂く機会も得ました。